自律訓練法上級練習の具体的な訓練方法や実施の際のコツ、効果、催眠導入、自己催眠法、自己分析等。
・自律訓練法の効果、準備、標準練習、コツ
・自律訓練法上級練習 - 黙想練習(自律性黙想法)
・自律訓練法上級練習 - 特殊練習(自律性修正法(特定器官公式、意思訓練公式))
・自律訓練法上級練習 - 自律性中和法(自律性除反応、自律性言語化)、空間感覚練習、睡眠導入公式、身体感覚への気づきの練習
・自律訓練法掲示板スレのまとめ
自律訓練法標準練習で得られる変性意識状態では、視覚的イメージを誘発しやすい状態になっています。このような状態を利用して、イメージをより高度化していき、無意識的思考をイメージ、視覚的思考として表出させ、それと通常の思考との相互作用により、両者の結合によって新しい思考、価値観、行動をもたらし、自己洞察や自己回復をはかることができます。
黙想訓練は、標準訓練を基盤にした上級練習であるため、標準訓練を完璧にマスターしていることが前提条件となります。以下の基準を満たしてから、黙想練習のトレーニングを始めましょう。
・1分以内に第1公式から第6公式までの練習効果が出せること。
・その効果を20分以上維持できること。
・3つの基本姿勢のどれでも上記の条件を満たせること。
・練習環境が悪くても、たとえば様々な妨害刺激がある状況でも、重感、温感その他の効果が出せること。
人間の潜在意識には、時間を計る能力があります。時間感覚の練習は、この能力を訓練してその働きを強め、また、正確にする訓練です。時間感覚の練習は、視覚イメージが出やすくなる効果があります。
・昼間のうちは通常通りに標準練習を行います。
・就寝前の練習の最後に、
「(私は)今晩○時○分に目を覚まし、また眠る」
という言語形式を用いて、それに受動的注意集中を行う。この際、標準練習の公式がすべて得られた状態を15〜20分保ち、最後に時間感覚の公式を最長1分程度、5〜6回ほど繰り返す。起きる時間は就寝後2〜5時間後程度の時間にするとよい。
・15分程度のずれなら成功と考えてよい。
・使い慣れた時計を持ち、起きる時間をさしながら練習するとうまくいく場合もある。また、その時間を時計の針や、数字として心の中に描きながら練習するのもよい。
・毎日同じ時間だと習慣化してその時間に起きれるようになり、訓練にならないので、起きる時間は毎日変えること。
・おおよそできるようになれば2週間程度で打ち切ってよい。また、必ずできなければならないものではない。
以下の7段階の訓練を順序どおり段階的に積み重ねていきます。
・まず、標準練習によって、自律訓練状態に入る。
・受動的注意を、体の各部位から、心の中に向ける。
・まぶたの裏を視野いっぱいに広がっているスクリーンに見立て、なにか色彩が自然に現れて来るのを待つ。見え始めた色をはっきり見ようとしたり、確かめようとしたりすると、かえって消えてしまうので、あくまでもぼんやり眺めているだけに留めること。
・受動的な態度を失ったり、イライラしたり雑念が生じたりした場合には、一旦標準練習に戻り、注意を手足に戻し、重感、温感が出ていることを確かめ、しばらく経ってから黙想練習に戻ること。
・20〜30分間かけて行う。ただしあまり時間にこだわる必要はない。
・最後に標準練習の時と同じように消去動作を行う。
・毎日、できれば1日2回練習する。通常1ヶ月以上の練習期間が必要である。
・自身が指定した色をイメージ化できるよう訓練する。はじめの内は自発的色彩心像視で自然に浮かんだ色に近い色、例えば緑だった場合は黄緑や青を、黄色の場合は黄緑、オレンジ、クリーム色、金色等を指定する。このようにして段階的にイメージできる色を増やしていく。
・指定した色のイメージが出にくい場合は、その色と結びついた事物を思い浮かべる。例えば緑の場合は草木や芝生、赤の場合は夕焼け空、黄色では菜の花畑等を思い浮かべる。
・黒や暗い紫は不快な連想や抑うつ感、疲労感を引き起こしがちなので、用いないようにする。
・5〜6種類の色をマスターし、短期間で指定どおりの色彩が出せるようにすること。通常2週間〜4ヶ月かかる。
・具体的なものを見ることが出来るよう訓練する。最初のうちは特に何を見ようと決めずに、自然に何か具体的なものが見えてくるのを待つ。初めは漠然としたイメージで、出現時間も短いが、練習を続けるうちに、はっきりしたイメージを長時間持続させられるようになる。
・次に、日常生活でいつも身近にあるようなもの(時計、花瓶、靴、草花など)を決めて、それを見る見る訓練を行う。自分の持っている時計など、限定されたものではなく、一般的な時計などをイメージするようにする。細部ばかりイメージしようとすると、かえって全体のイメージを消失させてしまうことが多いので、全体をイメージするようにする。
・「家庭」「幸福」「自由」「愛」「平和」「平等」「正義」「援助」「信頼」「美」「情熱」「学校」「社会」「教育」など、抽象的な概念について視覚化する。抽象的概念は、個人的、社会的、文化的背景が影響するので、同じ概念でも、どのようなイメージが出るかは個人で大きく異なる。例えば「平和」では、家族団欒の風景、鳩、握手している手、話し合いの場、平和という字そのものなどが現れる。
・抽象概念心像視で見えるイメージは、非言語的、非論理的、無意識的思考の産物であり、夢と同じように、練習者自身も気づいていない意味が含まれている場合が多く、自己洞察を深められる可能性もある。また、自己統制力のある練習者は、カタルシス効果をあげるよう練習を進めていくことができる。
・一般的に2〜6週間の練習期間が必要。
・怒り、恐怖、悲しみ等といった一過性の情動興奮ではなく、練習者自身に一貫して流れ続けている感情、気分をイメージする訓練。視界の広がった海や、山の上からの光景など、広く遠く見渡せる風景を、一人でボンヤリと眺めている時に経験するような感情体験をイメージに描く練習からはじめる。
・この練習では、練習者が抱いている願望や過去の経験など、情動の再体験が、イメージの中に様々な形で現れる。その中には、練習者が忘れていた事柄や、思いもかけなかった欲求などが、夢のように現れ、内的感情を知覚できるようになる。これによって自己認知の修正や、態度の変容を得ることができる。
・人物をイメージできるよう訓練する。最初のうちは、練習者と情緒的結びつきのない、例えば郵便配達員、駅員、警備員など、ユニフォームを着た非個性的な人物を選んでイメージ化する。
・次に、何らかの個人的なつながりのある人物の視覚化へと進む。一般的に、練習者が敵意、嫌悪、不快などのマイナス感情を抱いている人物のほうが、好意を抱いている人物よりも視覚化しやすいので、好意を抱いている人物は後から練習するようにする。
・静的なイメージよりも、生き生きとした動きのあるイメージのほうが望ましい。
・1〜6までの練習で身につけた、あらゆる対象を視覚化する能力を利用し、自己の無意識への問いかけを行い、視覚的イメージで回答を得る。「自分は何者であるのか」「自分は何をしたいのか」「自分にはどんな欠点があるか」「自分にとって何が一番大切か」「自分はどこへ行こうとしているのか」「自分の人生とは何か」「生きるということはどういうことか」などのテーマで自分自身に問いかけながら、それがイメージとして現れてくるのを待つ。
・この練習では、意識的に考えて得られるような回答とは異なる、無意識的なコンプレックスが表出される。人はコンプレックスによって感情や行動を支配されているため、その内容を知ることにより、心身相関や自己洞察を促進する効果がある。
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